公共空間に相応しいアルコール除菌機能とカタチ。サラヤ「プロテゲートプライム」。
コロナ禍に広く普及したアルコールディスペンサーは、コストやコンパクトさを優先した製品が主でした。しかし空間の印象や景観を阻害する外観であったり、設置や交換、周囲の汚れなどメンテナンスの負担が大きいといった問題も多くありました。
周囲のインテリアとの統一感に加え、スムーズで簡易的なメンテナンスを兼備したアルコールディスペンサーの必要性とデザイン開発を提唱し、非接触自動手指消毒ディスペンサー、プロテゲートプライムは誕生しました。
空間の印象を阻害しない、清潔感と公共感に配慮したデザイン
コロナ禍当時、既存市場に合わせた製品がそのまま使用されたディスペンサーは、板金の曲げ加工や溶接のみで成形された、いわば「裏で使う仕様のもの」でした。外観デザインの統一感、製品のオリジナル性、設置やメンテナンスの簡易性が必要とされており、ハイエンドクラス空間での設置を基に様々な問題を解決するモデルの開発に着手しました。
厚みある高級感を与えながらもアルミ製にしたことで本体重量も重すぎず移動も容易に、また薬液タンク配置により安定する仕組みにしました。
公共空間での手指消毒のバグを解決したデザイン
感染症拡大に伴い薬液交換に要する手間やメンテナンス作業の頻度が増加していました。大量の薬液運搬の労力を分散させる5リットルの予備タンクを設置でき、その設置台は手前にスライドさせ、急なタンク交換もチューブを差し代えるだけでスマートに行えるようにしました。
静かに、精確に誘導するデザイン
ハイエンド空間になじむデザインであることは勿論、何に使うものか直感的に一目でわかり、ユーザーが迷いなく消毒出来るよう配慮しました。消毒液吐出位置を優しく照射、スムーズに手が差し出せるようノズル下に傾斜を設け開口部を広く取っています。
吐出口と受け皿の距離を近づけることで薬液の飛び散りを抑制し、ジェルとスプレー両方を使用可能にしました。不使用時は柔らかくライトが点滅して存在を静かにアピールします。
2021年グッドデザイン賞受賞
自動手指消毒器”プロテゲートプライム”は、ホテルやレストランなどインテリアデザインを重視する空間に設置しても、過度な存在感がなく完成度が高いものであること、また使い勝手やメンテナンス機能も十分に配慮されていることが評価され、公益財団法人日本デザイン振興会「グッドデザイン賞」を受賞しました。
Client:サラヤ株式会社 2021年