敢えて目指したパラダイムシフト ” TOKYO OTOKOミシン”
コロナ禍が契機となり、自宅での自分時間を充実させるための趣味として、レザーや帆布などを使った本格的なクラフトに興味を持つ男性が増えています。そんな声に応える形で開発された「TOKYO OTOKOミシン」。今までの家庭用ミシンでは作ることが難しかったレザー、帆布、アウトドア仕様などハードな素材を使ったクラフト制作を可能にし、新たなハンドメイドカルチャーの創出を目指しました。
ジェンダーレスが叫ばれる昨今、敢えて「OTOKO」と入れたネーミングには、今までミシンに触れる機会のなかった男性にも興味を持っていただき、男性女性関係なくミシンで手作りを楽しめる時代を創りたいという想いが込められています。ハーズではミシンの土台となるベースカバーのデザインを担当させていただき、その想いを形として表現しました。
大切にした3つの「こだわり」
手軽さが売りのミシンが現代の主流である中、一般的なミシンでは貫通することが困難なハードな素材を誰にでも美しく縫えることに特化し、「TOKYO OTOKO ミシン」は3 つのポイントにこだわりました。
レザーや帆布などハードな素材縫いを実現する「縫い」へのこだわり。厚物でも安定した布送りが実現する「送り」へのこだわり。直線縫いを極限まで強く美しくできる「使いやすさ」へのこだわり。また、JISのHA規格の鋳鉄モノコック筐体をベースに、ヘビーデューティーな用途に耐えうる仕様に仕上げ、長く使っていただくための品質にも妥協のない製品となっています。
ヴィンテージとモダンの絶妙なデザインバランス
一般的には樹脂やアルミで作られたミシンが多い中、100年前に設計された鋳鉄製モノコック筐体をベースにレトロでで頑丈な印象を醸し出すTOKYO OTOKOミシン。
ハーズがデザインを担った土台のベースカバーは、筐体の持つヴィンテージの堅牢さと力強いイメージと合うように現代的なイメージを与え、古びた印象を感じさせないデザインを追求しました。堅牢さを表現したスリットのデザインは、敢えて細くすることで繊細かつ上質な印象をもたらすと共に、内側リブによるヒケを目立たないという効果も生み出しています。
2023年グッドデザイン賞受賞
厚い素材を手作りするニーズと多様性ある時代に合った新しいミシンで思い切った新市場開拓、また鋳鉄による高い剛性ボディを採用している明快な点も評価され2023年グッドデザイン賞(公益財団法人日本デザイン振興会)を受賞しました。
https://www.axeyamazaki.co.jp/products/om-01/
Client:株式会社アックスヤマザキ 2023年